2018年07月12日

第三級海上無線通信士を取得する意義







 今回からは何回かに分けて第三級海上無線通信士について書きたいと思います。短縮すると三海通とも表記されるので当サイトでもどちらの表現も使用します。





 第三級海上無線通信士はどんな資格?
 第三級海上無線通信士は「GMDSS」という海上で遭難した場合などに、安定した通信を確保するために新しくできた制度に準拠するための資格です。(一海通、二海通も同様です)

 それまでは船舶の通信はモールス信号によるものがあったので特殊な技術が必要でした。しかしGMDSSは人工衛星などを利用して「操作が簡単で安定した通信を行えるような設備」となっています。

 そして国際航海をするような客船や貨物船には、このGMDSSに準拠した設備の設置が務付けられています。それゆえ、このGMDSSという制度に準拠した設備を取り扱うことができる資格を整備する必要が出てきました。

 そのために新しくできたのが「三級以上の海上無線通信士」ということになります。従来からあった第一級〜三級までの無線通信士は「総合無線通信」という名称に改められました。

 総合無線通信士もGMDSSに準拠するために、一級のみ直接印刷電信という実技試験が、従来の試験の科目に追加されました。



貨物船1.jpg




 三海通の操作範囲について
 三海通は通信操作においては、一海通と同じ操作を行うことができますので、レーダーの操作を含め国際航海で国際通信も行うことができる最上級の資格です。それゆえ国際航海をするような船舶でも資格としては、三海通を持っていれば「ほとんどの場合で十分」ということになりました。

 船舶でのモールスによる通信は無くなりつつあります。しかし、三海通は技術操作においては「四海通よりも下位資格になる」という少し複雑な操作範囲になっています。

 三海通の技術操作は、レーダーの操作を含めて「外部の転換装置」ということになっていますので、調整なども含めて無線設備やレーダーの内部を操作することができません。





 三海通で得られる試験免除と四海通との関係
 また四海通には第四級アマチュア無線技士の操作が含まれていますが、三海通には認められていません。このようなところが四海通より下位の部分があります。

 また四海通は通信設備の定期検査を行うための登録検査等事業者制度の点検員になることができます。しかし三海通ではなることができません。それゆえ就職ということから考えると「取得してもあまり有利になる」とは言えない資格です。技術操作は「四海通より下位資格」ということになります。

 しかし通信操作においては、最上級であるため、三海通を取得すると、上位資格の一海通や二海通を受験する時に法規、英語、電気通信術を免除で受験することができます。ようするに三海通と一海通のレベルの差は無線工学のみということになります。



客船1.jpg




 三海通と一陸技で一海通を取得可能
 第一級陸上無線技術士を取得すれば、三海通とのあわせ技で、全科目免除で一海通の免許を取得することができます。私は、この方法で一海通を全く試験を受けずに取得しました。一海通の取得を目指す場合には、この方法がお勧めです。

 一海通として無線工学を受けるよりも「一陸技の無線工学を受けた方が良い」と思います。理由としては「一海通の無線工学も難しい」ので、それにかける時間や労力を「一陸技にかけた方がいい」と思うからです。

 一海通で無線工学に合格しても一海通の免許しか取得できません。しかし一陸技で合格すれば、一陸技と一海通の免許を「どちらも取得できる」ということに繋がるからです。

 それゆえ「将来的に一海通を取得したい」と考えている方にとっては「三海通を取得する意味は高い」と言えます。また四海通を持っていれば、三海通は無線工学免除で受験でます。

 それゆえ、三海通を受験する前に、四海通を取得しておくこともお勧めです。こうすれば三海通を受験する時は、法規、英語、電気通信術のみ受けることで取得できます。これらの科目の対策に集中できます。





 それでは三海通の免許証を紹介します。航空通と同じ形式で英語表記もあります。個人情報の部分はモザイクになっていますが御了承下さい。


ID152.jpg


三海通表.jpg


三海通日本語1.jpg


三海通英語.jpg




 次回は三海通の国家試験について書きたいと思います。記事のリンクを貼っておきます。
 http://kamau1997.seesaa.net/article/378431427.html


 無線通信士と特殊無線技士の関連記事を貼っておきます。
 http://kamau1997.seesaa.net/category/21829040-1.html
 http://kamau1997.seesaa.net/category/21829037-1.html












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posted by KAMAU at 02:58| Comment(5) | 無線通信士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは
無線にもいろんな種類の資格があるんですね。
参考になりました。
Posted by ニッパー at 2017年05月15日 17:05
KAMAUさん、こんにちは。
資格にも奥が深い資格もあるのですね。
いつも感心しています。応援していきますね。
Posted by トシカズ at 2017年05月17日 08:51
kamauさん、こんばんは!
第三級海上無線通信士の資格では、無線設備やレーダーの内部を操作することができないんですね。
しかし、将来的に第一級海上無線通信士の資格を取ろうと考えているなら、この第三級海上無線通信士の資格も大きな意味がありますね。
取り方があるんですね。
貴重な情報ありがとうございます。
Posted by ごんたママ at 2018年07月12日 22:34
この資格、郵政大臣の管轄なんですね。
どういう関係で繋がりがあるのか分からなくて、意外な感じがありました。
勉強になりますね!
Posted by yuko at 2018年07月15日 07:56
yukoさん、こんにちは!

電話や携帯電話、インターネット等の電気通信事業やテレビやラジオ等の放送業務、無線通信業務は、全て今現在は総務省の管轄です。

総務省は、以前は郵政省と言われていましたから郵政省の管轄です。郵政省から総務省と名前が変わっただけです。

私は郵政省の時代にこの資格を取得しましたので、免許証は郵政大臣で交付されています。

電力等の電気事業は経済産業省の管轄なんですがね。
Posted by KAMAU at 2018年07月16日 01:05
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