第四級海上無線通信士とは「どのような資格であるか?」について書きたいと思います。短縮した表記では「四海通」のように表現されることも多いので、このサイトでもどちらも利用させていただきます。
船舶や海岸局の無線設備を操作して国内通信を行う資格
第四級海上無線通信士は、基本的に船舶や海岸局の無線設備で、国内通信を行うための操作や船舶のレーダーを取り扱うためのものです。
海岸局の設備も一部操作することができますので、通信の相手方は船舶になりますが、陸上の設備も取り扱うことができます。就職ということから考えると取得しても「それほど有利にはならない」と思います。
登録検査等事業者制度の点検員になることができる資格
この資格は、無線設備の検査を行う登録検査等事業者制度の点検員になることができます。特に第1級陸上特殊無線技士には「許可されていない」海岸局や船舶局の設備の点検もできる資格です。
この点から考えると1陸特よりも「就職に有利になることがある」といえます。船舶や海岸局の無線設備の検査や点検は、船舶が安全に航行するためにも非常に重要な仕事です。
また漁船などは数も多いので、点検しなければならない無線設備はたくさんあります。そういった面では、船舶や海岸局の無線設備を点検できる点検員なることができるのは、大きいことです。
このようなことから1陸特を取得した上で、四海通を取得することも「意味のあること」と言えると思います。四海通を持っていれば、1陸特と同じく陸上設備の点検員になることもできます。
しかし海岸局以外の陸上の無線設備の点検員になるには、やはり「1陸特は持っていた方がいい」と思います。陸上設備の点検員を目指すのであれば、四海通のみ所有するのではなく、1陸特と合わせて持つことをお勧めします。
陸上の無線設備の点検員になるには、やはり第一級陸上特殊無線技士の方が知名度が高いので、こちらも取得することをお勧めします。
就職のしやすさや中高年での就職の採用可能性を考えるとビル管理関係資格の方が有利です。それゆえ最初に取得する資格としては、ボイラー技士や第3種電気主任技術者のような資格から取得することをお勧めします。
必ずしも第三級海上無線通信士の下位ではない資格
そして、この資格は「第四級海上無線通信士」という名前にはなっていますが、必ずしも第三級海上無線通信士の下位資格ではありません。
技術操作においては、三海通にはできなくても、四海通にはできることがありますので、三海通とあわせ持つことが意味あることになります。少し具体的に言うと三海通の資格では、無線設備の外部の転換装置しか操作できません。
しかし四海通では空中線電力の制限はありますが、無線設備の操作となり、外部の転換装置という言葉が外れている部分があります。それゆえ一部で外部の転換装置以外の操作もできるようになります。
また四海通は「第四級アマチュア無線技士」の操作を行うことができますが、三海通では行うことができません。ここでも技術操作の範囲は「四海通の方が上」ということになります。
そして上記で紹介した無線設備の検査を行う登録検査等事業者制度の点検員は、三海通ではなることができません。しかし四海通ではなることができますので、一般的な就職としては持っていて有利なのは、四海通です。
もちろん通信操作においては、三海通の方が上位資格です。三海通は「国際航海における国際通信」を行うことができますが、四海通では行うことができません。
四海通は通信操作においては「国内通信の操作しかできない」ことになります。それゆえ四海通取得後には、三海通も是非取得したいところです。三海通は「通信操作においては」一海通と同じ操作を行うことができます。
第1級海上特殊無線技士の完全な上位でもない資格
また基本的に無線通信士は、特殊無線技士の上位資格ですが、第1級海上特殊無線技士にできることで、四海通にはできないことがあります。それは1海特に許されているGMDSSに関係する無線設備の一部の操作です。
四海通では、GMDSSに関係する無線設備の操作は行うことができません。それゆえ1海特と四海通をあわせ持つことも意味のあることになります。もちろん技術操作は、四海通の方が1海特よりも上位資格になります。
1海特も技術操作においては「無線設備の外部の転換装置」しか操作できません。そして1海特では「登録検査等事業者制度の点検員になる」ことはできませんし、第四級アマチュア無線技士の操作も行うことができません。
このあたりが無線資格の「ややこしいところ」になるのですが、四級という名称でも一級という名称の特殊無線技士よりも上位になることもあるし、通信操作においては下位になることもあります。
また三海通よりも技術操作では上位であり、通信操作では下位であったりします。また四海通を取得すれば、三海通と1海特の無線工学を免除で受験することができます。三海通を持っていれば、四海通の法規は免除で受験できます。
養成過程講習会で取得することも可能
第四級海上無線通信士は「養成課程講習会で取得する」ことも可能です。しかし、今現在は、一般公募で募集している講習会は無いようなので、一般の人は国家試験で取得する以外方法が無さそうです。
国家試験の時期と受験申請の時期について
それでは国家試験の受け方等を書きたいと思います。受験料は、2020年現在で7463円です。国家試験の開催時期は毎年2月と8月に行われます。受験申請の時期は、12月上旬〜中旬、6月上旬〜中旬にかけて受け付けられます。
受験申請の方法は、インターネットによる申請と、受験申請書を郵送する書類として提出する方法があります。申請の仕方は1陸特の時と同じなので、関連記事のリンクを貼っておきます。
http://kamau1997.seesaa.net/article/376679064.html
その他の試験地等の詳しい国家試験案内は、日本無線協会のホームページに書いてありますのでリンクを貼っておきます。参照下さい。
http://www.nichimu.or.jp/kshiken/pdf/4kai-ku.pdf
旧型の四海通の免許証を紹介します。見開き型になっていて英語表記もされています。個人情報の部分は、モザイクになっていますが御了承下さい。現在は、カード型の免許証になっています。
次回は、四海通の勉強方法や使用する参考書と問題集について書きたいと思います。記事のリンクを貼っておきます。
http://kamau1997.seesaa.net/article/377691218.html
関連記事のリンクを貼っておきます。
無線従事者の種類とお薦め資格
http://kamau1997.seesaa.net/article/376487795.html
無線通信士関係カテゴリー
http://kamau1997.seesaa.net/category/21829040-2.html
特殊無線技士関係カテゴリー
http://kamau1997.seesaa.net/category/21829037-1.html

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ただ、(一社)全国船舶無線協会では、無線局点検業務での有効性として、
この資格は、無線局検査において、海上関係無線局の点検を行う者(点検員)の資格要件のうち、最も取得の容易な資格といえます。
海上・航空関係の無線局(海岸局、航空局、船舶局及び航空機局)の点検員の資格要件は、第1 級〜第3 級総合無線通信士、第1 級〜第4 級(第3 級を除く。)海上無線通信士、航空無線通信士、第1 級及び第2 級陸上無線技士です。
陸上関係無線局の点検のできる陸上特殊無線技士及び第1 級アマチュア無線技士の資格では、海上・航空関係無線局の点検はできません。
また、電波法の一部改正により導入された定期検査に係る登録検査等事業者についても、点検員の資格要件は従来からの登録点検事業者の点検員と資格要件は同じです。
と、会員に取得の推奨をして、四海通の国家試験の受験対策講習を行ったりしています。
また、四海通を取得していると、国家試験を受ける場合は科目免除とはなりませんが、二級陸上特殊無線の養成課程講習会を受講する場合、無線工学の受講および修了試験の免除が受けられ、法規のみで良いとの事です。(くわしくは講習主催者に問い合わせ下さい)
その他として、一級陸上特殊無線の養成課程講習会を受講する場合の受講資格として認められ、選抜試験を受ける必要がなくなります。
そうですね電話級無線通信士と比較して四海通は船舶に関係するところに限定してしまいましたからね。操作範囲はかなり狭まったように思います。
電話級無線通信士の時代は、第二級アマチュア無線技士で無線工学が免除になったり、第一級アマチュア無線技士で三総通の予備試験や無線工学が免除になったりしたので、上級のアマチュア無線技士は結構すごい資格でした。
私もその当時に1アマからの免除で電話級無線通信士を受けようかと思っていました。しかし結局のところ時期を逃してしまい四海通として受験して取得しました。今ではこの免除関係はなくなってしまいましたので残念です。
たしかに船舶関係の無線設備の点検をするには四海通を取得するのが簡単ですね。でも本当に無線の点検を職業とするならば最終的には一海通とか一陸技を取得して欲しいところではあります。
いつも紹介して頂き有難うございます。
応援していきますね。
資格を持っていると何かと就職に有利になりますもんね。
情報をシェしてくださり、ありがとうございます。
応援しています。