第3種電気主任技術者とは「どのような試験か?」試験科目や受験申請の方法、合格基準等について書きたいと思います。
長期の受験計画を立てる必要も
この資格は難関資格であるため無職の状態で「勉強だけに専念して」受験したくなりますが、そうして合格を目指しても「なかなか取得できない」ような資格です。
勉強に専念して挑戦してもかなりの長期戦になる可能性が高くなります。それゆえ無職の状態で「勉強だけに専念する」という状況を続けていくのは難しいのです。
第3種電気主任技術者の資格取得は、仕事をしながら3〜5年ぐらいの長期計画を立てて、合格を目指す必要があります。このようなことから、最初はボイラー技士等でビル管理会社に就職し、その後に給料を上げるなどのステップアップを目指して取得して欲しい資格です。
合格までには、建築物環境衛生管理技術者以上に「時間がかかる」試験なので「それなりの覚悟で挑戦する」必要があります。
試験科目と合格基準
この第3種電気主任技術者という資格は、建築物環境衛生管理技術者とは違い受験するのに実務経験のようなものは必要ありません。特に「受験資格の必要ない」誰でも受けることができる資格です。
国家試験には、以下のような4科目があります。
理論
電力
機械
法規
合格基準は、原則的に全ての科目で60点以上です。しかし、その年の平均点等が「例年よりかなり低い」というようなことがあれば、50点代に基準が調整されることがあります。55点とか56点で科目合格になることがあります。
配点が7点と8点となっていますので「ピッタリ50点」ということではなく「あと1問正解で60点を超える」ような時には、50点代でも合格になることがあります。
この50点代の合格基準は、毎年科目ごとに変動しますので「あまり期待しない方がいい」と思います。60点以上であれば必ず合格なので、これを目標に頑張ることになります。
合格基準になった点数は、毎年「何点を合格にしたか」を合格発表後にホームページで科目ごとに掲載されます。
科目合格の制度をうまく利用する
また電気主任技術者の試験には「科目合格制度」というものがあります。1科目ずつの合格が認められます。合格した科目は、翌年と翌々年は、その科目を免除で受験することができます。
次回からは、科目合格していない科目全てに合格すれば完全合格になります。ようするに科目合格の有効期限内に4科目全てに合格できれば完全合格になります。
しかし、この試験は「1年で1科目は合格できる」のですが、1回に2科目合格までもって行くことは結構難しい試験です。特に機械は、1年間それだけ勉強していてもなかなか合格にもっていくことが難しい科目です。
それゆえ1科目も合格できない年が結構あったりします。しかし合格するには、必ず「2科目合格する年」を出さなければなりません。これができなければ、科目合格の期限が切れてしまって「同じ科目を受け直さなければならない」ような状態に陥ってしまいます。
苦手なものが1科目でもあると「最後に残った科目になかなか合格できず」毎年何かの科目合格の期限が切れて「科目合格の堂々巡り」みたいになってしまいます。この状態をよく「科目合格スパイラル」というように表現されることがあります。
こうなると完全合格がなかなかできなくなってしまいます。しかし、1年で4科目全て合格にもっていくのは「かなり難しい」ので、やはりこの科目合格の制度をうまく利用していかなければなりません。
理想的なのは、最初の年は比較的点数の取りやすい理論と法規を合格して、残りの2年で電力と機械を1科目ずつ合格していくことです。言うのは簡単なのですが「電力や機械を1回で合格するのは結構難しい」とも思います。
また、そう簡単に計画的に進まないのも、この試験かと思います。
どこがそんなに難しいのか?
第3種電気主任技術者の何が難しいかというと、1問、1問の問題のレベルをみれば「それほど難問」というような問題が出題されるわけではありません。
電験3種は、工業高校の電気科の生徒が勉強すれば合格できるレベルで出題されます。工業高校の生徒でなくても高校の数学が理解できれば合格できるレベルです。
これは、決して試験問題が簡単ということを意味していません。個人によって「高校の数学や物理を難しいと思ったか? 簡単と思ったか?」と同じようなものです。高校生が理解できるレベルで出題されるということです。
これに対して電験1種や2種、第一級陸上無線技術士もそうですが、高校までには出てこない微分積分学や微分方程式、工業数学の範囲も含まれます。それゆえ、これらの数学を飛ばしてしまって「理解するのは難しい」という難解さが出てきます。
電験3種の難しさは、試験問題そのものの難しさではなく、試験の範囲が非常に広いので、繰り返し勉強していても「一通り勉強して、また最初に戻る」と「その分野をすっかり忘れてしまっている」というような状態になることにあります。
そして、それを堂々巡りのように何度も繰り返してしまうようなことになってしまいます。機械科目は、電気主任技術者という試験の中でも「電気ではなく」力学的な要素もかなり出題されます。
それゆえ勉強しなければならない範囲はかなり広いです。そして全ての科目において三角関数や複素数、ベクトルといった数学も出てきますので、数学もよく勉強する必要があります。
このように一筋縄ではいかないのが、第3種電気主任技術者の試験です。合格率も10%以下なので「難関資格」ということになります。
受験申請方法と試験日、合格発表
受験申請の仕方についてですが、受験申請は毎年5月下旬から6月上旬ぐらいにかけて行います。受験日は、8月最後の日曜日か、9月最初の日曜日のことが多いです。合格発表は10月に行われます。
受験の申請方法は、電気技術者試験センターのホームページからインターネット申し込みを行うか、ゆうちょ銀行の払込取扱票によって行うかの2通りがあります。
受験料は、2020年現在で以下の通りです。
払込取扱票による申し込み 5200円
インターネット申し込み 4850円
ゆうちょ銀行の払込取扱票は、電気技術者試験センター本部事務局等から入手できます。リンク先を貼っておきますので確認お願いします。
http://www.shiken.or.jp/examination/e-chief123guidance.html
インターネット申し込みは、電気技術者試験センターのホームページから行うことができますのでリンクを貼っておきます。
http://www.shiken.or.jp/index.html
第3種電気主任技術者の免状を紹介します。個人情報の部分はモザイクになっていますがご了承下さい。
次回は第3種電気主任技術者の通信教育を紹介します。記事のリンクを貼っておきます。
http://kamau1997.seesaa.net/article/374974921.html
関連記事のリンクを紹介します。
第3種電気主任技術者関係
http://kamau1997.seesaa.net/article/374720276.html
http://kamau1997.seesaa.net/category/20894760-1.html
ビル管理関係
http://kamau1997.seesaa.net/article/372346464.html

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資格についてとても勉強になります。
電気主任技術者の試験、むずかしそうと感じましたが、いろんなところで活かせそうですね。
参考になります。ありがとうございます。
第3種電気主任技術者は、合格率も10%以下のことが多く結構難しい試験と思います。それゆえ合格するとメリットも大きい資格と思います。
第3種電気主任技術者、相当難しそうですね。
それだけに、これを合格すれば、箔が付きますね!
応援していきますね。
そうですね、第3種電気主任技術者を持っていれば、ビル管理業界の中では、一目置かれる存在になると思います。
第3種電気主任技術者の試験、広範囲なんですね。
さらに、数学、物理などの基礎的なものも必要になってくる・・・
長期計画で行かないと、一気に4科目は厳しいですね。
こうした情報があると、覚悟して受けられるので助かります。
いつも素敵な情報ありがとうございます。